この記事はこんな方にオススメ!
- 栄養士の実務経験を経て国家試験を受ける方
- 何度も国家試験を受けているけど合格できない方
- 国家試験に向けて勉強しようと思っているけど何をしたら良いかわからない方
栄養士として実務経験を経て、ステップアップのために管理栄養士の資格を取りたいと考えている方も多いのではないでしょうか?
しかし管理栄養士になるためには、国家試験に合格しなければなりません。
その国家試験も既卒栄養士の場合合格率が1~2割程度と決して高くなく、一発で合格したいけどどんな風に勉強したらよいかわからないという方も多いと思います。
働きながら、この数年で一番合格率の低かった第38回管理栄養士国家試験に一発で合格した私が効率の良い勉強方法やおススメの参考書・問題集をお伝えします。
チェルシーです。X(元Twitter)もやってます。
国家試験に合格するために大切にしていたポイント
働きながら国家試験に合格するためには、時間を有効利用することと効率よく勉強するために情報の取捨選択が非常に大切となってきます。
そのために下記の6つのポイントを押さえましょう。
- 選択肢の間違いを正しく直す
- 最新の参考書・問題集を絞り繰り返し勉強
- 参考書と問題集は出版社を統一させる
- 付箋を使う理由を考える
- ノートは作らず参考書に書き込む
- 模試を受ける
管理栄養士の国家試験は過去問から似たような問題が出ることが非常に多いです。
私が受験するにあたって、管理栄養士の先輩から勉強方法を聞くと過去問をひたすら解いたという方がほとんどでした。
これもただひたすら過去問を解いて、何も考えずに問題と答えを覚えてしまうと勉強効率が下がってしまうので注意が必要です。
とても大切なことだけど、国家試験は満点を取る必要はないよ。
6割を取ることが目標だから、取れる問題は100%取れるよう勉強しよう。
1.選択肢の間違いを正しく直す
- 問題の選択肢で間違っている個所を正しく直す。
参考書を読んでいても、なかなか知識として定着させるのは難しいです。
効率良く覚えるためにアウトプットをしましょう!
アウトプットさせるため問題を解くたびに間違っている個所を正しく直すクセをつけましょう!
これをすることでひたすら参考書を読んでいるよりも効率よく勉強できる!
ではさっそく下記の問題を解いて間違いを正しく直してみましょう。
- 問題
- 解答
ヒトの細胞の構造と機能に関する記述である。正しいのはどれか。lつ選べ。
正解は解答をクリック!
①iPS細胞(人工多能性幹細胞)は、受精卵を使用する。
②滑面小胞体では、グリコーゲン合成が行われる。
③細胞膜は、リン脂質の二重層からなる。
④赤血球には、ミトコンドリアが存在する。
⑤リソソームでは、たんぱく質の合成が行われる。
ヒトの細胞の構造と機能に関する記述である。正しいのはどれか。lつ選べ。
①iPS細胞(人工多能性幹細胞)は、受精卵を使用する。
×iPS細胞は、体細胞からつくられます。受精卵から作られるのはES細胞です。
②滑面小胞体では、グリコーゲン合成が行われる。
×滑面小胞体ではステロイドや脂質の合成が行われます。グリコーゲンは細胞質で合成されます。
③細胞膜は、リン脂質の二重層からなる。
〇3 記載の通りです。
④赤血球には、ミトコンドリアが存在する。
×赤血球は無核であり、ミトコンドリアも持っていません。
⑤リソソームでは、たんぱく質の合成が行われる。
×リソソームは加水分解酵素をもち、細胞内に取り込まれた老廃物や異物の加水分解を行います。
問題集を繰り返している際に答えだけを覚えてしまうと、応用問題が解けなくなってしまいます。
間違っている個所をしっかり答えられるよう勉強しましょう。
勉強は復習がとても大切!
何度も解いて間違いを正しく直せるようにしよう。
2.参考書は1冊・問題集は1~2冊程度に絞って繰り返し勉強しよう
- 参考書と問題集を絞ることで徹底的に勉強できる。
- たくさんの参考書・問題集を使ってしまうと解いた問題に偏りが出る可能性がある。
国試の勉強を頑張ろうと考える方は参考書や問題集をどれを使ったらよいか悩むと思います。
それゆえにいろいろな種類を買いすぎてしまったり、迷いすぎて結局購入せずに全然進まないなんてこともあります。
また複数の問題集を使うことで得意な科目ばかり勉強してしまい、最後まで解ききれずに点数が取れないなんてことにもなりかねません。
やる気に満ち溢れたときに参考書や問題集を買いすぎて、どれに手を付けようか悩んで時間がすぎてしまうなんてことも…笑
過去に買いすぎて結局使わなかった参考書もたくさんあったなぁ…
また問題集を一周したらそこで終わりにするのではなく、二周・三周と問題を繰り返し解くことで問題を見て出題傾向がなんとなくわかったり、知識の定着につながります。
3.参考書と問題集は出版社を統一させる
- 出版社が同じ参考書と問題集を買うと解説も同じ書き方で記載されているため理解しやすい。
基本的に問題集は過去問から作られており、前述した通り出版社が違うと解説が載っていなかったり、若干違うことがあります。
例として、管理栄養士国家試験過去問解説集5年分徹底解説から出題・解説されている問題を見てみましょう。
第36回 問題137 (5)ララ物資の寄贈は、国連世界食糧計画(WFP)による。
この選択肢は×であり、WFPではなくアメリカの民間団体であるLicensed Agencies for Relief in Asia(アジア救援公認団体、通称LARA)が日本に送った救援物資のことです。
しかしレビューブック2023-24にはララ物資について記載がありません。
このように解説が載っていない・違っていても意味が理解できていればよいのですが、わからなければ誰かに聞くしかありません。
しかし正しく解説できる人が近くにいない場合、わからないまま勉強を続けることとなってしまいます。
学校に通っているならすぐにわからないことは先生に聞けると思うけど、仕事しながらだと解決せずに時間が経ってしまうことも多いよ。
4.付箋を使う理由を考える
- 付箋を貼っていた理由は覚えていない箇所を把握するため。
参考書→何度も間違える・忘れてしまう箇所に付箋を貼る。
問題集→間違えた問題に付箋を貼る。
参考書や問題集に付箋は使っていますか?
使っている方はその付箋はどんな理由で使っていますか?
私は参考書と問題集両方とも付箋を使って勉強していました。
またなんとなく大切なところだからと付箋を貼るのではなく、ともに違った理由で付箋を貼っています。
カラフルな付箋が多くありますが、色もしっかりと差別化できていますか?
参考書や問題集をキレイに使いたいというのは、勉強をしている理由が本筋からずれてしまうので注意しよう。
また参考書と問題集は付箋の種類も変えていました。
- 参考書は紙製の付箋
なぜこの付箋を貼ったのか・何度も調べている語句を記載したりしていました。
黄色が無くなってしまい青を使っているだけで、
参考書に使っている付箋は色分けをしていないよ。
青の付箋は文字を書いても読みにくかったから失敗だったね。
- 問題集はビニール製の付箋
ド忘れしていることと全く正解がわからないもので色を分けていました。
一問一答形式の問題集の付箋は暖色系がド忘れしていた問題で
寒色系が全くわからないもので差別化していたよ。
5.ノートは作らず参考書に書き込む
- ノートを作ると時間効率が低下する。
- 参考書に書き込むためには自分なりに言葉を考えるためアウトプットしている。
働きながら管理栄養士を受験する方は、ノートは作らずに参考書に直接書き込んでしまうことがおススメです!
お仕事をしながら勉強時間を割かなければならない社会人は、ノートを作っているとかなり効率が落ちると思います。
ノートを取る場合、書く・間違いを消すといった作業にかなり時間を使ってしまいます。
それよりも参考書では理解しにくい部分を自分なりに言葉を変えて記入した方が効率は上がりますし、頭にも入りやすいです。
自身でノートを取るとなると、難しいところが文章をどうまとめるかというポイントだと思います。
意外と参考書とほとんど同じことを書いていることが多いのではないでしょうか?
確かに取っているノートをよく読んでみると、参考書とほとんど同じ文章になっているところも少なくなかったよ…
ノートを取ることが悪いことではないよ。
時間がかかってしまうから働きながら勉強している人にはあまり向いていないということは知っておいてね。
6.模試を受ける
- 試験の雰囲気や時間配分の感覚を掴める。
- 結果が届き得意・不得意がわかる。
模試は実際の試験の雰囲気や時間配分などを掴むことが一番のメリットとなります。
もちろん勉強したことが理解できているかのものさしにもなりますが、どんなに正解率が高くても時間内に終わらない場合は不合格の可能性が非常に高まります。
また模試を受けると、結果が返ってくるので苦手な個所がわかるところもメリットの一つです。
お昼を食べた後・長時間の試験で集中力が途切れてしまうから
午後の試験中に10分くらい休憩時間を取っていたよ。
午後の問題の正解率が低くなるのは集中力が、
途切れることも関係しているかもね!
問題を解きなれているとほぼ間違いなく時間が余るはずだから、
模試で感覚を掴んでおこう。
模試をたくさん受けすぎてしまうこともあまりよくありません。
模試は国家試験と同じように一日かけて行うため、時間がかかります。勉強時間を確保するためにも数回程度受験にしておきましょう。
模試を行なっている会社は複数あります。
まとめてくださっている方がいらっしゃるので、こちらを参考に選んでみてください。
僕は少し難しめなRDCの模試を3回受けたよ。
国試までの勉強スケジュール
5月から少しずつ勉強スタート
本格的に始めたのは12月から!
第38回は試験日が3/3だったのでしっかり勉強したのは2月末まで!
もちろんコツコツ勉強することが、合格の可能性は高いです。
しかしどうしても気持ちが乗らない方もいると思います。
そんな方は少しでも効率よく勉強するために、これまでに紹介した6つのポイントを駆使して合格を目指しましょう!
仕事終わりに勉強するのが面倒なんだけど、
勉強を始めるために意識していたことはあったの?
まずは歯を磨きながら参考書を読み始めることを習慣にしたよ。
歯磨きは絶対するから、それで習慣化させたんだね!
しかしどんなに勉強しても体調を崩して受けられない・受けられたけど集中して試験に挑めなかったとなってしまっては本末転倒です。
しっかりと体調管理もしておきましょう!
先輩管理栄養士から体調管理について下記の2つアドバイスをもらいました。
- 国試の二日前からは勉強時間を減らす・8時間睡眠の確保
試験に集中できるようしっかりと疲労回復させる。 - 2週間前から生ものを食べない・食事はしっかりと加熱する
知識を蓄えても体調不良で100%が出せなければ意味がない。
栄養士だからこそ試験に備えて食事から栄養を摂っておきたいね!
使った参考書・問題集を紹介!
私が実際に使っていた参考書をご紹介します!
私が使っていた各参考書・問題集のメリットとデメリットを紹介していきます。
レビューブック管理栄養士
全受験生必須の参考書です!
イラスト付きで詳しく解説が書かれており、非常にわかりやすいです。
何度も繰り返しますが、これは全受験生絶対に買った方が良い!
私はこれを使って勉強したから合格できたといっても過言ではないでしょう!
- メリット
①専用の公式LINEを使うことで単語を検索でき記載ページが表示される
②クエスチョンバンクと組み合わせて使える
③解説している内容がいつの国試に出題されたか記載されている
④サイズが小さく持ち運びしやすい
⑤頻出問題の目印があり勉強の優先順位をつけやすい - デメリット
①少し値段が高め(購入当時 5,500円)
②内容が豊富のため厚みがある
デメリットがデメリットではない感じがあります。
それほどまでに優秀な参考書です。
試験会場で意外と使っている人が少なかったよ。
使っている人が少なかったってことは、あまり良さが知られていないとか…?
既卒の栄養士受験者は合格率1割程度だったから、もっと使っている人が多かったら合格率も上がったかもしれないなぁ。
それほど良い参考書なんだね!
クエスチョン・バンク 管理栄養士国家試験問題解説
国試の問題集と言えば、クエスチョン・バンク!
5年間の頻出問題が多く掲載されています。
またその年の受験生の回答率も記載されており、絶対に正解しておきたい問題が一目でわかります。
これを使って勉強する場合は、まず正解率が高い問題だけを勉強しましょう。
- メリット
①選択肢の回答率や正解しておきたい問題か一目でわかる
②1問ごとに詳しい解説が掲載されている
③専用の公式LINEを使うことで単語を検索でき記載ページが表示される
④レビューブックと合わせて勉強できるように作られている
⑤現時点の改定されている - デメリット
①非常にサイズが大きい・重いため持ち運びしにくい
②古い問題は回答率が掲載されていないことがある
③詳しく解説が掲載されているため問題を解くテンポは悪い
クエスチョン・バンクを国試までに何周もすることで、合格率は格段に上がるはずです。
しかし問題を解いて答えを覚えるのではなくしっかりと仕組みを理解しましょう。
一緒に受験した友人はクエスチョン・バンクだけを使って勉強し、合格したよ。
これだけで合格できるなんて頼りになる一冊なんだね!
その友人はクエスチョン・バンクを3周したと言っていたね。
1周目は正解率が高かった問題だけに絞って勉強していたみたいだよ。
管理栄養士国家試験よく出るワード別一問一答 出るトコ徹底分析
国試合格のためにたくさん問題を解くことも非常に大切です。
そんなときのためにこの問題集を使いましょう。
私は最後の2か月はこの問題集をメインに勉強していました。
- メリット
①〇×問題のためテンポよく多くの問題が解ける
②頻出問題ごとにわかれている
③サイズが小さく持ち運びしやすい
④〇×問題だけでなく大切な個所は簡単な解説が載っている - デメリット
①解説がほとんどない(答えがYes or Noに近いため)
②広く浅く勉強できる問題集のため土台ができていないと理解しにくい
③〇×で答えを覚えてしまうと本番で力が出せない
一問一答をただ解くだけでなく、わからない箇所は参考書を使って意味を理解しましょう。
私はこの問題集とレビューブックを組み合わせて国試までの仕上げとして勉強していました。
職場に一問一答とレビューブックを持って行って始業前と休憩中に少し勉強していたよ。
休憩時間にどれくらい勉強していたの?
15分から30分くらいだから決して長くはないよ。
管理栄養士国家試験過去問解説集5年分徹底解説
こちらは過去問が各項目ごとにまとまっている問題集です。
模試とは違った実践形式で勉強ができます。
- メリット
①出題基準の小項目で問題が並べ替えておりまとめて勉強しやすい
②簡単な解説が掲載されている
③解答冊子が外せるため答え合わせがしやすい - デメリット
①スキマ時間に勉強するには向いていない
②解説というより誤文を正文に直しただけのためわからない所は参考書を使う必要がある
③項目ごとにまとまっているため模試のように問題を解くことができない
紹介する5冊の中で唯一実戦形式の問題集になります。
問題を一気に解いて答え合わせするという過程も非常に大切です。
こちらも国試前までに何周も解いて最後の仕上げに使いましょう。
実戦形式で問題を解けるのはいいね!
解説で理解できていないところはレビューブックを使ったよ。
いちばんやさしい管理栄養士国家試験合格講座
この一冊で簡単なポイントのみ全項目を網羅することができます。
本のタイトル通り非常に優しい作りになっており、毎日1項目行うことで90日間で一通り勉強が可能です。
- メリット
①とにかく内容が優しいため勉強を始めやすい
②1項目の締めに問題が出るため復習ができる
③1項目を10分程度で学習できるためスキマ時間にサクッと勉強できる - デメリット
①内容がかなり浅いためこれだけで合格することは難しい
②少し書籍が古いため情報も古い箇所があり間違えて覚える可能性がある
国試の勉強をスタートするタイミングで使うには非常に良い選択肢の一つになると思います。
上記にある通り、優しい作りのため学生時代に勉強した内容を簡単に復習する使い方がおススメです。
国試の勉強をスタートしたのはこの本からだね。
忘れていたことを復習しなおすためには非常にお手軽だよ。
いきなり専門用語がたくさんあったり、分厚い参考書だととっつきにくいから確かにスタートするときはおススメかもね!
内容としてはかなり薄めだから、2~3周したら他の問題集や参考書を使った方がいいよ。
スマホやタブレットでどこでも過去問!
ここまで紹介した参考書と問題集ですが、共通しているデメリットとして
持ち運ぶ必要がある!という点です。
そんな場合は過去問.comも非常に有効!
ちょっとした空き時間で
スマホやタブレットがあれば過去問が解けちゃう!
アカウントを作れば正解率もわかるし勉強効率アップ間違いなし!
年末くらいから湯船につかりながら過去問.comを使って勉強していたよ。
やりすぎてのぼせることも多々あったから、真似をするなら体調に気を付けてね。
一発合格も夢じゃない!
「管理栄養士国家試験」に一発合格するために、過去問を中心とした勉強方法で効率良く勉強することが必須です。
今回ご紹介した以外にもたくさん参考書・問題集がありますが、闇雲に様々な参考書に手を出さず、自分でこれ!と決めたものを繰り返し活用し理解を深めていきましょう。出題範囲が広い部分や模試に積極的に取り組むことも重要です。
また働きながら勉強する場合、どうしても限られた時間の中で勉強する必要があります。
机に向かって勉強する時間だけでなく、スキマ時間も大切な勉強時間になるため持ち運べる勉強道具も参考にしてみてくださいね。
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